性感染症

性感染症(STI)は、性行為による感染症の総称です。性行為の多様化によって性器だけでなく、口腔、咽頭、肛門などにも感染します。自覚症状がないことも多いため、治療しないまま病気が進行したりパートナーに感染させたりするリスクがあります。一方だけ治療をしてもパートナーから再感染してしまうこともあるので、病気を発見したらパートナーにも伝えて共に治療をすることが大切です。

性器クラミジア感染症

主な症状

  • おりものの増加
  • 不正出血
  • 下腹部痛
  • 性行為時痛 など

性器クラミジア感染症は、性感染症の半数以上を占めています。若年層では女性の感染者が多い傾向です。女性が感染すると1~3週間の潜伏期間を経て子宮頸管炎を起こし、その際におりものが増えます。しかし女性は感染しても無症状の事も多いため、未治療のまま経過するケースもあります。放置すると卵管に炎症が波及し不妊の原因になります。妊娠後は新生児に感染し、新生児肺炎などを起こす危険もあります。男性は排尿時の痛み、不快感、掻痒感など尿道炎の症状が出る場合が多いですが、無症状の方もいます。

性器ヘルペスウイルス感染症

主な症状

  • 感染部位のかゆみ、痛み
  • 感染部位の水ぶくれ
  • 排尿時の強い痛み
  • 高熱 など

性器ヘルペスウイルス感染症は、単純ヘルペスウイルスの性器への感染で起こる病気です。初感染で発症する急性型は、2~21日間の潜伏期間後に外陰部不快感から始まり、発熱、全身のだるさ、外性器に多数の潰瘍や水泡が出現し、強い痛みを伴います。ヘルペスウイルスは神経節に潜り込み、再発を繰り返します。再発の症状は急性症状より軽いことが多いです。また、初感染後、無症状で経過し初めて症状が出る場合には、急性型と同じく重い症状がでることがあります。

尖圭コンジローマ

主な症状

  • 外陰部、肛門、腟などの小さなカリフラワー状のイボ など

尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)が性器に感染し発症する病気です。外陰部や子宮頸部、肛門などに特徴的な赤~褐色のイボが見られます。痛みがないので治療に至らず、パートナーに感染させてしまう場合があります。この病気は自然に治ることもありますが、稀に癌化するケースもあります。女性では出産時に新生児に感染させてしまう危険もあり、適切な治療が必要です。

淋菌感染症(淋病)

主な症状

  • おりものの量が増えた
  • おりものが黄緑色
  • 外陰部のかゆみ・腫れ
  • 不正出血 など

淋菌(りんきん)という病原菌による性感染症です。性行為だけでなく、衣類やタオルなどの貸し借りでも感染することがあり、母体から胎児への母体感染のリスクもあるので注意が必要です。

梅毒

主な症状

  • 感染部位に硬いしこり
  • 痛みのない赤い発疹 など

梅毒は梅毒トレポネーマという細菌が感染することで起こる感染症です。性行為で粘膜や皮膚の小さな傷から感染します。検査や治療が遅れたり、治療せずに放置したりすると脳や心臓に重大な合併症を起こすことがあります。なお、梅毒はHIVの感染リスクを高める可能性があります。妊娠中に梅毒に感染すると、お腹の赤ちゃんに感染してしまうことがあります。お腹の赤ちゃんに感染すると、死産、早産、新生児死亡、障害をもって生まれることがあります(先天梅毒)。

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